Nature ハイライト
材料:超硬材料をもっと硬くする方法
Nature 493, 7432
多結晶立方晶窒化ホウ素は、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ超硬材料であり、熱的安定性と化学的安定性の面でダイヤモンドよりも優れているため、研磨剤として広く用いられている。多くの材料で、粒径を小さくすれば硬度を向上できることが知られており、今回Y Tianたちは、この法則を新しい合成法に用いている。つまり、特別に作製した「タマネギ状の」前駆体材料を用いることにより、立方晶窒化ホウ素の硬度を高めることができたのだ。得られた多結晶材料の構造は、ナノメートルスケールの双晶ドメインが大半を占め、合成ダイヤモンド単結晶を上回るきわめて高い硬度、高い酸化温度、きわめて高い破壊靭性を兼ね備えた固体となった。多結晶ダイヤモンドで同等のスケールのナノ双晶が再現できれば、ダイヤモンドの硬度と安定性を新たなレベルに高められる可能性がある。
2013年1月17日号の Nature ハイライト
物性:固体の量子
医学:自閉症スペクトラム障害の治療標的
宇宙:遠隔連星での惑星系の分裂
材料:超硬材料をもっと硬くする方法
気候:東アフリカの干ばつを起こす要因
地球:深部マントルのニッケルに富むカンラン岩
進化:巣穴作りの進化の遺伝学
神経生物学:記憶の機構を再考する
再生医学:成体での心臓細胞の置換