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宇宙:減速するマグネターの「反グリッチ」

Nature 497, 7451

マグネターは、強力な磁場を持つ中性子星で、X線やγ線を放射している。マグネターや電波パルサーの放射には多数のグリッチ(パルス間隔の変動)が観測されており、それらには突然起こるスピンアップ、すなわち表面角運動量の増加が関係している。こうしたグリッチは、固体の外殻と内殻の超流動成分との間で角運動量がやりとりされる際に生じると考えられている。今回、マグネター1E 2259+586で「反グリッチ」、つまり突然のスピンダウン現象が初めて観測された。この現象は、マグネターのいくつかのスピンアップ・グリッチの発生時にこれまで見られたものとよく似たX線フレアとX線バーストと同時に起きており、磁気圏ではなく星の内部に起源があると考えられる。このような挙動は、中性子星のスピンダウンに関する現在のモデルでは予測されていないものだ。

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