Nature ハイライト
地球:地球と金星は異なるタイプの惑星である
Nature 497, 7451
広く受け入れられている惑星形成論では一般的に、初期サイズと組成が同じ惑星は同じ初期冷却過程を経てきたと仮定している。しかし今回、濱野景子(東京大学)たちは、初期の熱い溶融状態から固化する間の進化過程によって、地球型惑星が全く異なる2つのタイプに分けられることを示した。タイプI惑星は、中心星から特定の臨界距離よりも遠い所で形成されるもので、数百万年以内に固化し、大部分の水を保有しており、この水が原始海洋を形成する。一方タイプII惑星は、臨界距離の内側で形成されるもので、このタイプではマグマオーシャンが1億年もの間維持され、このゆっくりした固化の間に流体力学的散逸によってこうした惑星は干からびてしまう。地球はタイプI惑星に分類できるが、金星は臨界距離付近で形成され、水のない地殻とマントルは、金星がタイプII惑星である可能性を示している。