Nature ハイライト

医学:RBP4タンパク質は糖尿病にかかわっている

Nature 436, 7049

2型糖尿病患者数は増加の一途をたどっており、それがどういう理由によるものかをはっきり解明するために研究が進められている。肥満の増加は糖尿病の危険にさらされる人を増やしているが、今回肥満と糖尿病を結びつける仕組みについて新しい手がかりが得られた。今週号では、脂肪組織から放出されるRBP4というタンパク質が、どのようにしてマウスのインスリン抵抗性を引き起こすのかが説明されている。糖尿病患者ではこのタンパク質の量が増加していることがこれまでに知られていたが、その因果関係はわかっていなかったのだ。  B Kahnたちは、RBP4の量を増加させるとインスリン抵抗性が生じるが、減少させると逆の効果があることを見いだした。また、インスリン感受性を高める薬剤がこのタンパク質を減少させることもわかった。Kahnたちは、RBP4量を減らすことが2型糖尿病の実行可能な治療法となるかもしれないと考えている。  「この発見は、糖尿病研究で長らく残っていた矛盾点を解決するものになるかもしれない」と、D MuoioとC NewgardがNews and Viewsで述べている。

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