Nature ハイライト 宇宙:小惑星エロスを震撼させた隕石衝突 2005年7月21日 Nature 436, 7049 小惑星エロスではたった1個の巨大隕石の衝突によって、その表面の40%にあたる地域から小さなクレーターがほとんど消え失せてしまったらしい。 NEARシューメーカー探査機が2000年から翌年にかけて収集したエロスのデータは、この小惑星全体を詳細にマッピングしたものである。P Thomas とM Robinson はこのデータを用いて、衝突によって生じた振動でエロスが激しく揺さぶられ、小さなクレーターが崩壊してしまったのだろうと論じている。このことからすると、33×13×13kmという大きさの岩石であるエロスの内部は比較的均一で、激しい衝撃を効率よく伝達したのだろうと考えられる。 「この結果は、クレーターの記録から小惑星表面の年代を決定するという習慣的に使われてきた方法に問題を投げかけるかもしれない」と、E Asphaug はNews and Viewsで語っている。 2005年7月21日号の Nature ハイライト 医学:RBP4タンパク質は糖尿病にかかわっている 宇宙:小惑星エロスを震撼させた隕石衝突 物理:原子間を電子が跳躍するのにかかる時間 気候:北半球の氷床はいつ生じたか 生物多様性:海底下で繁栄する細菌たち : 目次へ戻る