Nature ハイライト
Cover Story:小さいことはいいことだ:カーボンナノチューブトランジスターだけから作られた最初のコンピューター
Nature 501, 7468
表紙は、今回作製されたカーボンナノチューブコンピューターの断面の走査型電子顕微鏡写真。カーボンナノチューブは、シリコンではなく炭素を使ったコンピューターの有望な構成要素として高く評価されてきた。カーボンナノチューブコンピューターが追求されるようになった主な理由は、カーボンナノチューブトランジスターを使う回路では、高いエネルギー効率を実現できることである。さまざまなカーボンナノチューブの電子回路ブロックがすでに実証されているが、M Shulakerたちは今回、カーボンナノチューブトランジスターだけからなる、簡単ではあるが動作するコンピューターを構築した。これは、カーボンエレクトロニクスとナノエレクトロニクス分野における、真の意味での画期的成果といえる。このコンピューターは、おのおのが10~200本のナノチューブを含む178個のトランジスターからなり、簡単なオペレーティングシステムを実行し、マルチタスクが可能である。つまり、命令フェッチ、データフェッチ、算術演算、そしてライト・バックとしてまとめられた4種類のタスクを実行でき、2種類の異なるプログラムを同時に実行できるのである。
2013年9月25日号の Nature ハイライト
地球:初期地球の大陸ダイナミクス
ゲノミクス:ヒトのトランスクリプトームの高深度解析
免疫:パーキンがマイトファジーとゼノファジーをつなぐ
宇宙:ミリ秒パルサーの交互に入れ替わるエネルギー源
物理:量子磁性のモデル
有機化学:新しいC–H活性化法
生態:温帯海域にも見つかった生物多様性ホットスポット
医学:H7N9ウイルスの伝播
細胞生物学:Waplタンパク質の染色体組織化における役割
遺伝:染色体の維持に中心的な役割を担うTREX2