Nature ハイライト

Cover Story:小さいことはいいことだ:カーボンナノチューブトランジスターだけから作られた最初のコンピューター

Nature 501, 7468

| 拡大する

Credit: Butch Colyear

表紙は、今回作製されたカーボンナノチューブコンピューターの断面の走査型電子顕微鏡写真。カーボンナノチューブは、シリコンではなく炭素を使ったコンピューターの有望な構成要素として高く評価されてきた。カーボンナノチューブコンピューターが追求されるようになった主な理由は、カーボンナノチューブトランジスターを使う回路では、高いエネルギー効率を実現できることである。さまざまなカーボンナノチューブの電子回路ブロックがすでに実証されているが、M Shulakerたちは今回、カーボンナノチューブトランジスターだけからなる、簡単ではあるが動作するコンピューターを構築した。これは、カーボンエレクトロニクスとナノエレクトロニクス分野における、真の意味での画期的成果といえる。このコンピューターは、おのおのが10~200本のナノチューブを含む178個のトランジスターからなり、簡単なオペレーティングシステムを実行し、マルチタスクが可能である。つまり、命令フェッチ、データフェッチ、算術演算、そしてライト・バックとしてまとめられた4種類のタスクを実行でき、2種類の異なるプログラムを同時に実行できるのである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度