Nature ハイライト
構造生物学:Pol Iの構造を決定
Nature 502, 7473
RNAポリメラーゼI(Pol I)は、リボソームの組み立てに欠かせないリボソームRNAの転写を行っている。それゆえ、Pol Iはタンパク質生合成と細胞増殖の主要な決定因子である。Pol Iの誤った調節は数種類のがんと関係しているため、Pol Iは抗がん剤の新たな標的となっている。今回、酵母由来の14サブユニットからなる完全なPol Iの3.0 Åと2.8 Å分解能のX線結晶構造が、2つの別の研究グループから発表された。Pol Iの基本的な構造はPol IIやPol IIIと似ているが、DNAが結合する裂け目(クレフト)は、他のRNAポリメラーゼ中で見られるものよりも広がったコンホメーションをとっており、その他の独自な特徴からも、Pol Iの各要素の機能的な役割についての手がかりがもたらされる。
2013年10月31日号の Nature ハイライト
構造生物学:Pol Iの構造を決定
宇宙:銀河間に早期に出現した金属
量子物理学:注文に応じてレビトンを作る
物理:量子気体と結合した単一電子
地球:乾燥は乾燥生態系の栄養バランスを脅かす
生態:動物であるサンゴも行うDMSP生合成
生物物理:タンパク質折りたたみの動態を記述する
分子生物学:減数分裂での乗換えを制限する機構
構造生物学:高分解能低温電子線トモグラフィーによるファージの観察