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生態:動物であるサンゴも行うDMSP生合成

Nature 502, 7473

ジメチルスルホニオプロピオナート(DMSP)は広範に分布する代謝産物で、海洋細菌によって揮発性の気体であるジメチルスルフィド(DMS)に変換される。DMSは大気への硫黄の主要な供給源で、雲の形成に寄与することで気候に影響を与える。今回J Rainaたちは、一般的な造礁サンゴ種であるハイマツミドリイシ(Acropora millepora)およびウスエダミドリイシ(A. tenuis)の2種が、単独でDMSPを産生することを報告している。これまでDMSPは、藻類(サンゴへの共生種を含む)や一部の植物によってのみ産生されると考えられていたので、この結果は実に意外なものだ。また、DMSP生合成は、動物であるサンゴが熱ストレス条件下で生存するのに役立っている可能性がある。この知見は、サンゴやその共生者に全球規模の環境変化が与える影響に対して、DMSP産生がどのように応答するかにも関わってくる可能性がある。

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