Nature ハイライト
宇宙:銀河間に早期に出現した金属
Nature 502, 7473
銀河団を構成する銀河内の星によって作られた金属(ヘリウムよりも重い元素)の大部分は、銀河間にある高温でX線を放射するガスに存在する。もし金属が均一に分布しているなら、銀河団の歴史の初期からその場所にあった可能性が高い。その一方で、金属が銀河団形成後に出現した場合では、顕著な空間変動が金属量に生じると予想される。潜在的に存在する不均一性の影響を取り除くことによって初期の濃集モデルを検証するには、銀河団の複数の方向に沿って大きな半径にわたって存在量を測定する必要がある。N Wernerたちは、ペルセウス座銀河団での測定結果86例のデータセットについて、まさにこうした測定を行った。そして、鉄の存在量がZFe = 0.306であり、半径と方位の関数として、この銀河団の縁に至るまで、著しく均一であることを発見した。この分布になるには、100億年以上前の星形成とブラックホールの活動が最大であった期間に、銀河間媒質の金属濃集の大部分が起きたとしなければならない。
2013年10月31日号の Nature ハイライト
構造生物学:Pol Iの構造を決定
宇宙:銀河間に早期に出現した金属
量子物理学:注文に応じてレビトンを作る
物理:量子気体と結合した単一電子
地球:乾燥は乾燥生態系の栄養バランスを脅かす
生態:動物であるサンゴも行うDMSP生合成
生物物理:タンパク質折りたたみの動態を記述する
分子生物学:減数分裂での乗換えを制限する機構
構造生物学:高分解能低温電子線トモグラフィーによるファージの観察