Nature ハイライト

宇宙:星に満ちていた初期宇宙

Nature 437, 7058

生まれた直後の宇宙は、これまで考えられていた以上に実り多い場所であった。非常に遠方にある、つまり非常に古い銀河を新たに探査した結果、予想よりも相当に多くの銀河が存在することが明らかになったのである。  O Le Fèvreたちは、120億年前から90億年前までに形成された970個の銀河を発見した。宇宙の年齢はおよそ137億歳、そして我々の太陽はちょうど46億年前にできたと考えられている。 非常に古い銀河は、確実な同定がむずかしい。古い銀河であるほど我々から遠くにあり、また宇宙の膨張によってより高速で遠ざかっている。この膨張により、銀河の光は大きな「赤方偏移」を受ける。これは、こういう銀河中の星から放射された光が、我々のもとに届いたときにははるかに波長が長くなっていることを意味する。しかしそういった銀河を、もっと近くの自然に「赤化した」銀河から識別するのはむずかしいことがある。Le Fèvreたちは古い銀河を同定するために、スペクトルの赤外領域にある1本の「バンド」(狭い波長範囲)に放射される光を用いるという手法をとった。  この研究チームは、そのような銀河の数が従来の推算より1.6〜6.2倍多いことを見いだした。つまり、初期宇宙ではこれまで考えられていたよりも速やかに、星が形成されていたのだろうと考えられる。

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