Nature ハイライト 植物:植物ホルモン、ジベレリンの受容体候補が見つかる 2005年9月29日 Nature 437, 7059 植物ホルモンのジベレリンは植物の発芽や茎の伸長、花の発達で重要な役割を果たしている。しかしこれまで、この重要なホルモンの受容体は単離されていなかった。松岡信たちは今回、イネのGID1遺伝子がこのホルモンの受容体と思われる、未知の可溶性タンパク質をコードしていることを実証した。 松岡たちは、実を結ぶ花を作ることができないなどの異常を有するイネの変異系統に関して報告している。他系統のイネのDNAとの比較により、GID1遺伝子の異常がジベレリン感知能力を失わせることが明らかになった。さらに、この遺伝子産物を過剰に作らせると植物がひょろ長く徒長することが示され、これはジベレリンに対する過敏性から予想されるとおりの結果であった。初の可溶性ジベレリン受容体の存在をはっきり示すこの研究結果は今週号に掲載されている。 News and ViewsでD BonettaとP McCourtは「この研究の成果により植物ホルモンに関する議論が進展するばかりでなく、ジベレリンのシグナル伝達に関する分子レベルの理解が深まることで新たな緑の革命、つまり品種改良による穀物の大増産が可能になるかもしれない」と述べている。 2005年9月29日号の Nature ハイライト 植物:植物ホルモン、ジベレリンの受容体候補が見つかる 環境:海の酸性化で貝やサンゴは今世紀中に溶けてしまう? 材料:大きいキラルな穴をもつ多孔質材料 医学:抗体を理解する 地球:砂丘のなりたち : 目次へ戻る