今週号の2つの論文では、地震がどのようにして遠く離れた地域で、さらに別の地震を誘発させるかが論じられている。このような影響については、1992年にカリフォルニア州で起きたマグニチュード7.3のランダース地震などで顕著な例が観測されたにもかかわらず、遠隔地で生じた誘因がどのように働くのかはよくわかっていなかった。 実験によってこの誘発現象をモデル化するために、P A JohnsonとX Jiaは圧力をかけたガラスビーズを伝わる波を観察した。その結果、地震波が断層に突き当たると、断層中心部にあり断層ガウジとして知られている、破砕された物質の意外なほど大きい弱化を引き起こし、それが遠隔地での地震を誘発することが示された。地震波により生じる歪みは、地震波が本震から遠くへ伝播するにつれて急速に減少するが、それでも断層ガウジ物質を弱化させて別の地震を誘発するのには十分な大きさであることがわかった。 さらにBrief CommunicationsでJ GombergとP A Johnsonは、ガラスビーズ・モデルが実際の地震の状況を類推するのに適していることを確証している。彼らは、遠隔地で誘発されたさまざまな地震のデータを比較し、最も重要な誘発因子は地震波の振幅であり、その周波数ではないことを発見したが、このことはJohnsonとJiaが室内実験で研究した粉粒体のふるまいと一致している。