Nature ハイライト 神経:雄の涙にセックスアピール 2005年10月6日 Nature 437, 7060 フェロモンは異性にシグナルを送る機能をもつ化学物質で、動物の個体間の距離がかなりあっても、しばしば空気中を漂って運ばれていく。たとえばチョウは、何キロも離れたところから、フェロモンを使って相手を惹きつけることができる。だが、今回報告されたマウスの非揮発性のフェロモンは、目から分泌され、直接接触によって伝わる。 げっ歯類が尿中の揮発性化合物に反応することはすでに知られているが、フェロモンによるコミュニケーションにはそれ以外の方法もあることが、今回、行動の研究から示された。東原和成たちは、雄のマウスの涙腺から出る雄に特異的なペプチドが、物理的な直接接触によって雌に届き、雌を誘引することを明らかにした。この発見で、哺乳類における性的情報交換や異性識別の解明に新たな道が開けそうだ。 2005年10月6日号の Nature ハイライト 古生物:太古の中国の空を舞っていた多様な翼竜 地球:分子化石からうかがわれる初期地球の海洋生態系 地球:地震が遠くの微小地震を誘発する仕組み 神経:雄の涙にセックスアピール 医学:1918年のインフルエンザ大流行は鳥インフルエンザウイルスが原因 : 目次へ戻る