Nature ハイライト 古人類:やはり実在した「ホビット」原人 2005年10月13日 Nature 437, 7061 インドネシアの孤島、フロレス島で発掘調査をしている古生物学者チームが、昨年10月に本誌で初めて報告したヒト族(チンパンジー系統と分岐後の人類系統の総称)の小型種であるホモ・フロレシエンシス(Homo floresiensis)の骨をさらにまた見つけた。今回の発見では、もう1つの顎の骨や、前回発見された頭骨の持ち主の右腕も得られている。 これらの骨は、ホモ・フロレシエンシスがもともと小柄な種であって、異常のために脳が小さかったわけではないことを示すさらなる証拠だと、M Morwood率いる調査チームは報告している。しかも、化石の年代測定から、ホモ・フロレシエンシスがこの島に1万2000年前まで暮らしていたことも明らかになった。 この研究チームによると、ホモ・フロレシエンシスは腕のいい料理人でもあったらしい。この遺跡で見つかった他の動物遺骸から、ホモ・フロレシエンシスはゾウの仲間にあたる小型のステゴドンを解体し、火の使い方をマスターしていたことがわかったのだ。 2005年10月13日号の Nature ハイライト 古人類:やはり実在した「ホビット」原人 宇宙:ディープインパクトが明らかにした彗星の組成 材料:人工的に作られた昆虫の「スーパーゴム」 神経:コカインが記憶に及ぼす作用を解明する 微生物:菌類から単離された抗菌ペプチド 医学:染色体数の異常で癌が生じる : 目次へ戻る