Nature ハイライト 化学:「バイオディーゼル」を生成する効率のよい触媒 2005年11月10日 Nature 438, 7065 植物油を「バイオディーゼル」燃料に変えることができる固体酸触媒は、現在使われている高価で非効率的なプロセスに取って代わるものとなるかもしれない。 オレイン酸やステアリン酸などの脂肪酸を自動車燃料として使うためには、エステルという化合物に変化させなければならない。この反応を行う際の触媒としては硫酸が用いられるのが普通だが、生成物を液体酸から分離するためのコストが高く、化学的にも無駄が多い。より高価な固体酸も検討されてきたが、概して再生がむずかしい。 原享和たちは今回、炭化した糖、デンプンまたはセルロースの混合物を硫酸処理して固体酸を作り出せることを示した。この固体酸はまったく水に溶けず、極めて安価に作製でき、再生が容易である。触媒活性は液体硫酸の半分以上あり、これまでに検討された固体酸触媒と比べて大幅に改善されている。 2005年11月10日号の Nature ハイライト 進化:用いよ、さもなくば失わん 地球:地震は始まったときにその最終的な力が予測できる 生理:ショウジョウバエの時計をリセットする 進化:島移住の「飛び石」説に一石を投じる 物理:非常に薄いグラファイトは量子力学上の謎である 化学:「バイオディーゼル」を生成する効率のよい触媒 : 目次へ戻る