Nature ハイライト

地球:カリフォルニア中部の隆起を駆動する地下水の枯渇

Nature 509, 7501

米国カリフォルニア州のシエラネバダ山脈東部にある、EarthScopeプレート境界観測所のGPS観測点P311。
米国カリフォルニア州のシエラネバダ山脈東部にある、EarthScopeプレート境界観測所のGPS観測点P311。 | 拡大する

Credit: UNAVCO

米国カリフォルニア州のセントラル・バレーは、過去150年間にわたる揚水、灌漑、蒸発散が組み合わさった結果、160 km3に近い地下水を失ってきた。C Amosたちは、地盤の上下変動のGPS測定結果を用いて、セントラル・バレー南部にあるサンホアキン・バレーを、岩盤が隆起した広い領域が取り囲んでいることを示している。観測された隆起は、サンホアキン・バレーにおける現在の貯水低下速度で決まる簡単な弾性モデルで予測した屈曲とよく一致している。海岸山脈のこうした季節的な隆起は、隣接したサンアンドレアス断層にかかる実効法線応力を減少させ、この地域で観測される地震活動の年周変化の一部を説明できる可能性があると、著者たちは考えている。さらに、シエラネバダ山脈南部の現在観測されている隆起の原因は、テクトニクスやマントルに由来する力だとこれまで考えられてきたが、人為的な地下水枯渇もその一因なのかもしれない。

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