今週号に掲載された2つの論文によると、土星の小さな衛星フェーべは、太陽系形成の後に取り残されたかけらの中から捕獲されたものらしい。J LunineとT Johnsonは、フェーべで見られる岩石と氷の比率が、太陽系星雲の残骸であるトリトンと冥王星に類似しているが、土星の他の衛星とは非常に異なっていることを報告している。R Clarkたちは、フェーべ表面の化学的性質がカイパーベルト天体に典型的なものであることを発見した。カイパーベルト天体は、海王星の彼方に存在する氷のかけらの集まりである。これらの研究は2つとも、土星とその衛星を現在探査しているNASAのカッシーニ探査機によって得られたデータを使っている。「フェーべの起源が、太陽系星雲の外縁部に広がる極寒の領域のどこかであって、地球型惑星ができたもっと暖かくて乾燥した太陽系内部ではないことをこれらの研究は示唆している」とJ B DaltonがNews and Viewsで述べている。