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進化:湖は干上がり多様なシクリッドが川に残った

Nature 435, 7038

アフリカ南部の河川には非常に多くの種類のシクリッド(カワスズメ科魚類)が生息しているが、同じ大陸でも他の地域の河川では種数はもっと少ない。今回、その謎が解けた。古代の湖でシクリッド類が進化したのち、その湖が干上がってしまい、進化による大きな多様性が後に残されたのだ。 O Seehausenたちの報告によれば、古代マクガディクガディ湖は2,000年以上前に消えてしまったが、多くの魚類種がそこで生まれ、それらが現在、コンゴ、ザンベジ、オカバンゴ、クネーネ、リンポポといった河川で暮らしているのだという。 アフリカの湖では水が動かないため、魚は進化の機会を豊富に与えられ、他の魚を捕食する、あるいは藻類を食べるなどといったさまざまな生活様式を進化させることができると考えられている。だとすると、こうした多様性が現在の河系に存在しているのは意外である。「これらのアフリカ産シクリッドに見られる高速の種分化は信じがたいものだが、その証拠は疑いようもない」とT D KocherはNews and Viewsで述べている。

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