Nature ハイライト 材料:ガラスで見つかった隠れた構造 2005年5月5日 Nature 435, 7038 ガラス状態の物質の原子は雑然と並んでいるのだが、その中に隠された構造が発見されたようだ。ガラス状態では、結晶と違い原子が規則正しく並んでいない。エネルギー的には結晶ほど安定ではないにもかかわらず、液体を冷却すると原子はこういう「アモルファス」配列をとることがある。なぜこのような状態が形成されるのかは未だに謎である。P Salmonたちは、塩化亜鉛とセレン化ゲルマニウムが作るガラス構造内に、これまで観察されたことのない繰り返し構造の特徴を発見した。これら2つの化合物がそれぞれ、イオン結合と共有結合という全く異なる原子結合の典型的な例であることから、このような構造はガラス状態において広く存在すると考えられる。今回の発見は、一部の液体を冷却した場合、ガラス状態が作られる理由の解明に役立つかもしれない。 2005年5月5日号の Nature ハイライト 進化:ユタ州にいたテリジノサウルス類恐竜 生殖:生殖補助に新たな望みが誕生 進化:湖は干上がり多様なシクリッドが川に残った 宇宙:太陽系外縁部から来た土星の衛星フェーベ 材料:ガラスで見つかった隠れた構造 遺伝:注目が集まる遺伝子同士の関係 : 目次へ戻る