Nature ハイライト 地球:マグマにより弱くなったテクトニック・プレートの分裂 2005年1月13日 Nature 433, 7022 大陸の上にある岩石を引き裂くためには巨大な力が必要だが、テクトニック・プレートの移動が起こると大陸の上に地溝帯が形成されることがある。この仕組みが大分わかってきたようだ。これまでは、熔けた岩石、すなわちマグマが地球の深部から上昇してくることにより岩石の中に弱い部分ができて岩石が引き裂かれやすくなるため、地溝帯の形成が促進されると考えられてきた。今回J-M Kendallたちは、北エチオピア地溝帯を取り巻くように設置された地震観測網、EAGLE(Ethiopian Afar Geophysical Lithospheric Experiment)計画で得られたデータを解析し、地殻が弱くなる機構に関するこのモデルが支持されることを報告している。著者たちは地震学的データから、伸張の大部分が起きている地域では、地殻内にある小さなマグマ溜まりが地溝帯に沿って並んでいるのだろうと推測している。 2005年1月13日号の Nature ハイライト 化石:恐竜を餌食にした、たくましい哺乳類 宇宙:世界と世界が衝突する時 古気候:気温寒冷にして風激しく浪高し 遺伝:菌根菌からわかる「変化は人生の薬味」 地球:マグマにより弱くなったテクトニック・プレートの分裂 医学:遺伝子組換え原虫由来のマラリアワクチン : 目次へ戻る