Nature ハイライト 古気候:気温寒冷にして風激しく浪高し 2005年1月13日 Nature 433, 7022 約6億3,500万年前に起きたほぼ全地球的な氷結期は「スノーボールアース」と呼ばれるが、その後にハリケーンさながらの強風と巨大な波が地球を襲ったことがP AllenとP Hoffmanによって報告されている。彼らは、今日の沿岸地域に広くみられる砂漣の巨大版を6億3,500万年前の堆積岩中に見つけた。オーストラリア、ブラジル、カナダ、ナミビア、北極海のスバールバル諸島で採取されたこのような堆積物は、氷河が熱帯地域までをも覆った極寒期の後に堆積したものだ。今回発見された規模と勾配の巨大砂漣が生じるためには、時速72 キロメートルを上回る風が吹いていなければならなかったはずである。こうした強風は海水を激しく混合し、大気中の塵を遠方まで運んだことだろう。地表のほぼ全体を覆った氷が溶けた後でも、地球は住むのに快適な場所ではなかったのだ。 2005年1月13日号の Nature ハイライト 化石:恐竜を餌食にした、たくましい哺乳類 宇宙:世界と世界が衝突する時 古気候:気温寒冷にして風激しく浪高し 遺伝:菌根菌からわかる「変化は人生の薬味」 地球:マグマにより弱くなったテクトニック・プレートの分裂 医学:遺伝子組換え原虫由来のマラリアワクチン : 目次へ戻る