Nature ハイライト
進化学:ゴンドワナテリウム類哺乳類の頭部の新化石
Nature 515, 7528
ゴンドワナテリウム類は、白亜紀後期から暁新世前期にかけ、ゴンドワナ大陸で恐竜と共に生息していたこともある哺乳類である。ゴンドワナテリウム類の化石はこれまで、わずかな歯と少数の下顎骨片しか見つかっておらず、その姿や進化的な類縁関係はよく分かっていなかった。しかし今回、マダガスカルの白亜紀層でアナグマほどのサイズの奇妙な化石哺乳類の完全な頭蓋が発見され、状況は一変した。この哺乳類Vintanaは、当時のマダガスカルの固有な島嶼動物相の例に漏れず、高度に派生したものであることはほぼ間違いないが、明らかにゴンドワナテリウム類である。植食性で目が大きく敏捷な動物という解剖学的特徴は、ゴンドワナテリウム類が、長く存続して繁栄を遂げた齧歯類様の哺乳類群「多丘歯類」(ゴンドワナテリウム類と同じくすでに絶滅しているが、より詳しく研究されている)と近縁であったことを示している。
2014年11月27日号の Nature ハイライト
生態学:地下の生物多様性が地上に及ぼす影響
進化学:ゴンドワナテリウム類哺乳類の頭部の新化石
食餌:食生活を変えて窮地を脱する?
発生生物学:体のパターン形成に関わるToll受容体
天文学:ブラックホール質量尺度に対する再較正
宇宙物理学:ヴァンアレン帯電子の階層化
古気候学:2万1000年間のエルニーニョのモデル
がん:転移性膀胱がんに対するMPDL3280Aの有効性
がん:抗PD-L1抗がん治療に対する患者の反応を予測する
がん:PD-1の機能遮断は適応免疫耐性を抑制する
がん:免疫原性を持つ腫瘍変異の予測
がん:腫瘍特異的変異抗原を標的にする