Nature ハイライト
		
		
        
		
		古気候学:2万1000年間のエルニーニョのモデル
Nature 515, 7528
気候の年々変動の最も重要な要因であるエルニーニョ南方振動(ENSO)は、激しく変動する期間と相対的に静かな期間との間を揺れ動いてきたことが、古気候の研究から示唆されている。Z Liuたちは、最終氷期極大期以降、軌道の変化によってENSOが強まる傾向にあり、これが古気候データの解釈と一致することを一連の気候シミュレーションを用いて示している。ENSOには、海洋循環の変動、CO2の増加、氷床の後退などが全て影響を及ぼすが、その時期はそれぞれ異なっており、それぞれの影響が相殺されることもあった。例えば、CO2の増加はENSOを弱める傾向にあったが、氷床の後退がENSOを強める効果によってこの影響が弱められた。今回のシミュレーションは、ENSO状態が、一連のさまざまな気候強制の正味の影響を常に反映していることを立証している。
2014年11月27日号の Nature ハイライト
- 生態学:地下の生物多様性が地上に及ぼす影響
- 進化学:ゴンドワナテリウム類哺乳類の頭部の新化石
- 食餌:食生活を変えて窮地を脱する?
- 発生生物学:体のパターン形成に関わるToll受容体
- 天文学:ブラックホール質量尺度に対する再較正
- 宇宙物理学:ヴァンアレン帯電子の階層化
- 古気候学:2万1000年間のエルニーニョのモデル
- がん:転移性膀胱がんに対するMPDL3280Aの有効性
- がん:抗PD-L1抗がん治療に対する患者の反応を予測する
- がん:PD-1の機能遮断は適応免疫耐性を抑制する
- がん:免疫原性を持つ腫瘍変異の予測
- がん:腫瘍特異的変異抗原を標的にする


