Nature ハイライト
食餌:食生活を変えて窮地を脱する?
Nature 515, 7528
所得の増加に伴い、ヒトの食生活は世界規模で変化しており、結果としてヒトの健康だけでなく環境にも影響が出てくる可能性がある。D TilmanとM Clarkは今回、食生活の「欧米化」の影響について定量化し、食餌のさまざまな側面について、それらが健康に及ぼす影響と環境に及ぼす影響との間に密接な結び付きがあることを見いだした。現在の食生活の動向に歯止めがかからなければ、2050年までに、温室効果ガスの排出が大幅に上昇し、2型糖尿病や肥満、冠動脈性心疾患の発生率が増加すると予想される。では、この問題に対していったい何ができるのだろうか。個人が情報に基づいて選択することも役には立つだろうが、環境や農業に関わる政策を大きく変えなければ総体的な効果はほとんど得られないだろう。
2014年11月27日号の Nature ハイライト
生態学:地下の生物多様性が地上に及ぼす影響
進化学:ゴンドワナテリウム類哺乳類の頭部の新化石
食餌:食生活を変えて窮地を脱する?
発生生物学:体のパターン形成に関わるToll受容体
天文学:ブラックホール質量尺度に対する再較正
宇宙物理学:ヴァンアレン帯電子の階層化
古気候学:2万1000年間のエルニーニョのモデル
がん:転移性膀胱がんに対するMPDL3280Aの有効性
がん:抗PD-L1抗がん治療に対する患者の反応を予測する
がん:PD-1の機能遮断は適応免疫耐性を抑制する
がん:免疫原性を持つ腫瘍変異の予測
がん:腫瘍特異的変異抗原を標的にする