Nature ハイライト 遺伝:新たな探査で失われた遺伝子を発見 2005年2月3日 Nature 433, 7025 遺伝子配列を徹底的に調べる新しい手法により、進化的に非常に古い小型の寄生生物であるナノ古細菌Nanoarchaeum equitansで、これまで知られていなかった遺伝子編成が明らかになった。この発見が示すように、他の生物のゲノムについても、遺伝子の見落としをもう一度詳しく調べ直すべきだろう。これまで、N. equitansのゲノムには、タンパク質を組み立てるトランスファーRNA(tRNA)をコードするきわめて重要な遺伝子がいくつか欠如していると思われていた。しかしD Söllたちは、2つに分離した遺伝子を探しているときに、この「失われた」遺伝子を発見した。遠く引き離された2個の遺伝子のそれぞれに、tRNAの半分がコードされていたのである。彼らは、この分離遺伝子から生じるRNAをつなぎ合わせると、機能するtRNAができることを明らかにした。この結果は、tRNAが元々はこのような形で作られていたという見方を裏付けている。 2005年2月3日号の Nature ハイライト 遺伝:新たな探査で失われた遺伝子を発見 宇宙:見えない宇宙の質量の発見 生理:昆虫は酸素の毒性を避けるため息を止める 生化学:線虫を眠らすフェロモンの構造 ナノテクノロジー:カーボンナノペーパー : 目次へ戻る