Nature ハイライト

老化:飢餓と寿命の連繋を調べる

Nature 434, 7029

動物の中には飢餓食によって寿命が伸びるものがあるが、その理由の一部がわかってきた。老化に関係する重要な遺伝子が、哺乳類のグルコース代謝を変化させる仕組みが明らかになったのである。 P Puigserverたちは、哺乳類のSIRT1というタンパク質について調べた。酵母や線虫では、SIRT1に相当するタンパク質の遺伝子が、カロリー摂取量が厳しく制限されているときに老化を遅らせることが知られている。しかし、SIRT1が哺乳類でもカロリー制限に対する応答にかかわっているかどうかはわかっていなかった。 Puigserveたちは、絶食が引き金となってマウスの肝臓でSIRT1が生産されることを明らかにした。このタンパク質は代謝系の重要な調節因子PGC-1αと相互作用し、PGC-1αはさらにグルコース生産にかかわる遺伝子を活性化する。このようなシグナル伝達系の理解が進めば、糖尿病や老化につながるグルコース代謝の欠陥に対する治療法の開発に役立つ可能性があるとPuigserveたちは述べている。

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