Nature ハイライト

生理:心臓の変化

Nature 434, 7029

ビルマニシキヘビ(Python molurus)は時々しか餌を食べず、しかも丸飲みにしてしまう。そして、そのたびに心室の質量が約40%も増加し、その結果、ニシキヘビの代謝速度は大幅に上昇するという。 ヒトでは定期的に激しい運動を行うと、長い時間をかけて拍出量の増加など心臓の機能が改善する。だが、心臓のこのようなプラスの変化は、どのような生物経路の働きで起こるのだろうか。 J Hicksたちはその手がかりをつかもうと、ニシキヘビが代謝系の需要を満たすために酸素摂取量を増やす必要があるとき、すなわち餌を食べた後に、何が起こるのかを調べた。すると、わずか48時間以内にヘビの心臓の大きさに著しい変化が観察され、この急激な増大に、心臓の収縮タンパク質である重鎖ミオシンの合成の増加が関係していることがわかった。この拡大は可逆的でヒトの場合よりもはるかに速い。ヒトでは、起こるのに数週間もかかる。

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