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進化:太古の四肢動物に関する仮説を揺るがす砂漠で見つかった新両生類化石

Nature 434, 7035

サハラ砂漠で2億5,000万年以上前に生息していた大型の両生類化石が新たに2種見つかり、大きな波紋が広がっている。ワニに似た姿のこれら両生類によって、当時生息していた四肢動物の分布状況は世界中のどこでもほぼ類似していたとする見方は大きく揺らぐことになる。 この2種の両生類の頭骨化石はニジェール北部で出土し、今週号でC A Sidorたちにより新種(種名はNigerpeton ricqlesiSaharastega moradiensis、どちらも新属新種)として報告された。頭骨のもつ特徴を分析したところ、この2種の両生類は、アフリカ南部など温帯性の他の地域で出土した、ペルム紀の同年代の四肢動物たちとは異なっていた。 これら2種の化石標本の目新しさと、この地域に他の四肢動物が見られないことを考えあわせると、非常に乾燥したこの地域に生息していた動物の顔ぶれは、他の地域にいた動物と全然違っていたに違いない。特に当時は地球上の陸地の多くがパンゲアという超大陸に統合されていたこともあって、専門家たちはこれまで、ペルム紀には動物の顔ぶれが世界中どこでも似通っていたと考えてきた。

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