Nature ハイライト 遺伝:眠らなくても平気なハエ 2005年4月28日 Nature 434, 7037 ショウジョウバエの中には、あまり休息時間を必要としないものがいる。このようなハエでは、遺伝子塩基配列に起こった1か所の変異のせいで、必要とされる睡眠時間が通常の3分の1に短縮している。この変異が存在するのはShakerという遺伝子上の領域である。神経細胞は、この遺伝子がコードするチャネルによって、電気信号に対する感受性を賦与されている。G Tononiたちが指摘しているように、必要な睡眠時間は人によって驚くほどの差がある。最低でも8時間は眠らないとだめという人がいるかと思えば、3、4時間でもまったく問題なしという人もいる。このショウジョウバエのチャネルをコードしている遺伝子に似た遺伝子がヒトにもあるので、ヒトの睡眠の必要性を決定する因子を解明するうえで、この短時間睡眠バエが役に立つのではないかと著者たちは考えている。 2005年4月28日号の Nature ハイライト 宇宙:これまでで最も明るいバースト 環境:新たな研究でマグロ資源の減少に歯止め 遺伝:眠らなくても平気なハエ ナノテクノロジー:鏡を使ったコンピューター 地震:30年間の微小地震で地震の特徴が予測できる : 目次へ戻る