Nature ハイライト 系統分類:クジラの新種発見 2003年11月20日 Nature 426, 6964 新種のクジラが見つかった。 1970年代の後半に日本の特別捕鯨調査により得られた8体とその後日本沿岸で事故死した1体を加えた9体の標本が、今回、和田志郎・大石雅之・山田格によってヒゲクジラ類の新種ツノシマクジラ(Balaenoptera omurai)であると突き止められた。また今回の解析によれば、非常によく似ていてこれまで同一種と見なされてきたBryde's whaleとEden's whaleが別々の種に分けられるという。現在生息しているナガスクジラ属の仲間はこれまで6種とされており、そのうち数が最も多く最も小型の仲間がおなじみのミンククジラ(Balaenoptera acutorostrata)である。今回の発見で、ナガスクジラ属は8種に増えることになる。地球上にすむ未発見の生物が何種あるかについては、1000万単位の数値から1億を超える数値まで見積もりに幅があるが、いずれにしても膨大な数である。未発見の生物種は大半が魚類や菌類、微生物、昆虫だとみられている。哺乳類、しかもクジラほど大きいものとなれば、新種の発見はめったにないことなのだ。 2003年11月20日号の Nature ハイライト 系統分類:クジラの新種発見 気候:火山とエルニーニョの熱い関係 発生:性別をねじ曲げる 物理:ナノ粒子がまだらに凝集する理由 医学:バイオフィルムの障壁 目次へ戻る