Nature ハイライト
細胞生物学:APC/Cによるユビキチン化の機構
Nature 522, 7557
後期促進複合体(APC/C)について、コアクチベーターCdh1、抑制因子Emi1(early mitotic inhibitor 1)、あるいはユビキチンと連結したE2酵素UbcH10と結合した状態の原子構造が報告された。APC/Cは多数のサブユニットからなるE3ユビキチンリガーゼで、染色体の分離とそれに続いて起こる有糸細胞分裂の終了を制御している。3.6 Åと4.1 Åという高い分解能が達成されたことで、全てのAPC/Cサブユニットの構成と集合体内部でのサブユニット間相互作用、触媒モジュールの位置が明らかにされた。これらの構造から、Emi1が、UbcH10だけでなく、他のE2酵素のUbe2Sの阻害を引き起こす仕組みも説明される。得られた知見の中には、APC/CとコアクチベーターCdh1との結合が、Cdh1のリン酸化によって拮抗阻害を受ける仕組みについての手掛かりも含まれている。
2015年6月25日号の Nature ハイライト
植物科学:植物でのシグナル識別
心血管疾患:心疾患に伴うフルクトース代謝
細胞生物学:APC/Cによるユビキチン化の機構
宇宙物理学:観測された高赤方偏移銀河
惑星科学:海王星質量程度の系外惑星の大気損失
大気科学:大気循環と極端な気温
進化学:性選択が変異荷重を最小化
神経変性:病気抵抗性のヒトプリオンタンパク質
生化学:リボフラビンをさまざまに変化させる