Nature ハイライト 生態:波間を漂う細菌の新顔集団 2004年1月29日 Nature 427, 6973 南大洋に漂う細菌に新しい仲間がたくさん見つかった。この細菌群はRoseobacterという分類群に属するもので、遺伝的に2つの型(系統型)に分けられる。その一方は温帯の海域で暮らし、もう一方は寒帯の海で暮らしている。報告したM Simonたちは、南アフリカのケープタウンと南極大陸の間で海面から細菌を採集した。亜熱帯海域には今回発見された細菌類はいなかったが、研究チームが南下するにつれて、まず1つの系統型が見つかり、次にもう1つの系統型が見つかった。著者たちの言によれば、これほど広い海域で遺伝的に近縁な海洋細菌の一群を採取した調査は今回が初めてだという。そして、この細菌群には遺伝的に差があり、生息空間も違う2種類があることから、多様な細菌種の分布には海水温などの要因が影響を及ぼしていることがわかる、ともつけ加えている。 2004年1月29日号の Nature ハイライト 医学:母親の食事は子供の寿命に影響 進化:新種の化石はオランウータンの最も近い親戚 生態:波間を漂う細菌の新顔集団 ナノテクノロジー:ナノ繊維を編む 地球:どこまでも滑る 神経科学:サルの呼び声で言語中枢が活性化 細胞:回転でエネルギーを充填 目次へ戻る