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進化:新種の化石はオランウータンの最も近い親戚

Nature 427, 6973

タイのコラートで見つかった顎の骨の化石がオランウータンの親戚のものらしいとわかった。この新種の骨化石の年代は中新世後期の700万年前から900万年前にあたる。 報告したJ-J Jaegerたちによると、この発見から、オランウータンの最も近い祖先種が、現在オランウータンが生息しているのと同じような赤道域の森林地帯で進化したことがわかるという。オランウータンに似た種の化石は中国南部やパキスタンでも見つかっているが、これらの地域の中新世の気候は現在のオランウータン生息域とは違っていた。 今回見つかった顎の骨には、オランウータンの下顎と共通する特徴がいくつも見られることから、この新種は系統分類的にみて、現在のオランウータンにこれまで知られるうちで最も近い親戚になる。一番注目したいのは、オランウータンにもこの新種にも、多くの霊長類で下顎を引き下げる働きをする前二腹筋が見られない点だ。

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