Nature ハイライト 音楽:ソプラノたちの弱点 2004年1月8日 Nature 427, 6970 ソプラノ歌手が声を張り上げて歌う歌詞は聞き取りにくいかもしれない。そのわけが今週号のBrief Communicationsで説明されている。J Wolfeたちは、クラシック音楽のトレーニング歴が平均9年の8人のソプラノ歌手について、上昇音階を歌うときの声道の共鳴とピッチ周波数を測定した。音域の最高点でドラマティックに声を張り上げられる歌手は、母音の明瞭さを犠牲にして音量を上げていることがわかった。このため、歌詞がわかりにくくなる。西洋クラシック音楽の伝統的な訓練を受けた歌手は、広いホールに響き渡り、時には大音量のオーケストラ伴奏に負けないような声を出さなくてはならない。音量はどうやら、歌詞のわかりやすさを犠牲にして得られるらしい。オペラハウスで、聴衆にとっての母国語で歌われるオペラにまで字幕が出されることが多い理由は、これでわかるというものだ。 2004年1月8日号の Nature ハイライト 地球:酸素の地球史デビュー 発生:臓器の配置 宇宙:超新星の相棒は泥棒? 植物科学:低温が開花を促す仕組み 材料:ビーズを覆う膜 地震:振動が作ったクレーター 音楽:ソプラノたちの弱点 目次へ戻る