Nature ハイライト

進化:飛翔に足も使った化石鳥類

Nature 431, 7011

原始的な化石鳥類の足に見つかった長い羽毛から、飛翔能力の進化に「4つの翼」の段階があったとする議論に解明の糸口が見えてきそうだ。F ZhangとZ ZhouがBrief Communicationsで報告しているこの羽毛は、エナンティオルニス類(Enantiornithes)とよばれる飛翔能力をもった絶滅鳥類に属するがまだ名前のない鳥に関連するものである。この仲間の鳥類の飛翔能力は、最古の鳥類とされる始祖鳥よりも進歩しており、滞空能力の点でも羽毛のある恐竜すべてを確実に上回っていた。ただし少なくとも、リスほどの大きさのミクロラプトルは、4本の足すべてにあった長い羽毛を活用して、滑空するか落下傘式に降下して木から木へ飛び移っていたと考えられている。 議論を巻き起こしている「始祖鳥の足には長い羽毛があった」とする最近の報告を考えると、今回の新しいエナンティオルニス類の発見は、鳥類は進化の過程でまず「4つの翼」を経て、その後尾が現在のような空力学的形状にしんかし、足を飛翔に使わなくなったとする説を裏づけるものだ。今回の化石は、中国東北部の白亜紀前期の義県層で出土したもので、ここは化石鳥類や羽毛のある恐竜が見つかる場所として有名であり、年代はおよそ1億4,500万〜1億2,400万年前にあたる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度