Nature ハイライト フォトニクス:光をシリコンチップ上で働かせる 2004年10月28日 Nature 431, 7012 情報を運ぶ光ビームを効率よく制御できるシリコンチップが今週号に報告されている。現在、世界中で大量のデータの相当部分が光ファイバーによって運ばれているが、情報の処理と経路選定依然として、まず信号を操作が容易な電流に変換して行われるのがふつうだ。そのため、全プロセスが遅くなり、使われる部品の数(したがって費用)が増大する。電気信号に変換するかわりに光を直接処理するシリコンデバイスの作成は、長い間努力されてきた。シリコンは、エレクトロニクス産業で既に定着している製造技術が使えるため望ましい材料だが、光の制御は得意ではない。M Lipsonたちは光の波長に同調させた小さい構造中に光を閉じ込めることによって、光ビームを正しい場所に導く働きをするシリコンの小さな変化に対して、ビームの感度を高めることができることを示した。また、このような構造を2個連結して、光ビームが別の光のオン・オフを切り替えられることを示した。 2004年10月28日号の Nature ハイライト 考古:小さな人が住んでいた島 医学:クリプトスポリジウムのゲノム解読 宇宙:太陽黒点の歴史に光を当てる 地震:地震予知が復活? フォトニクス:光をシリコンチップ上で働かせる 進化:グッピーの泳ぎから考え直される老化の理論 目次へ戻る