Nature ハイライト 化石:翼竜のオムレツ 2004年12月2日 Nature 432, 7017 すでに絶滅した空を飛ぶ爬虫類、翼竜の卵の化石がBrief Communicationsで2つ紹介されている。2つの卵はまるで違っており、翼竜の多様性がうかがえる。L M Chiappeたちが報告した1つ目の卵はアルゼンチンで出土し、およそ1億年前にフラミンゴに似た翼竜の一種のプテロダウストロが産んだものである。卵の中に胚の化石も保存されているので、身元を探る手がかりが得られる。化石に残る固い方解石の卵の殻は、トカゲの卵には似ておらず、鳥類や恐竜の卵を思わせる。一方Q Jiたちが報告したもう1つの卵は、化石産出で有名な中国の義県層で出土したおよそ1億2,100万年前のものである。この卵の殻はアルゼンチン産の卵と違って柔らかく革のようで、現生爬虫類で広く見られる殻に似ている。翼竜の卵は、今年初めに中国で見つかるまで(Nature 429, 621; 2004参照)知られていなかった。翼竜は爬虫類の一群で、恐竜や鳥類の遠い親戚にあたる。 2004年12月2日号の Nature ハイライト 環境:酷暑の原因は人間にあった? 医学:癌遺伝子の役割が判明 量子情報科学:誤り訂正の方法 医学:血管細胞と造血細胞に共通の前駆体 細胞:Seladin-1がもつ意外な制御作用 化石:翼竜のオムレツ 目次へ戻る