昆虫が進化史に登場したのは専門家がこれまで考えていたよりも早く、4億年以上前のことだったらしい。これで昆虫は最古の陸上進出動物の仲間入りをしたことになり、現在の昆虫の圧倒的な繁栄と多様性を説明する糸口が見えてくるかもしれない。M S EngelとD A Grimaldiは以前スコットランドで見つかったRhyniognatha hirstiと呼ばれる動物の化石を新たに分析した。この動物の大顎の構造は、はっきりと昆虫であることを示しており、したがって知られるうちで最古の昆虫となる。著者たちは、この昆虫が現れたのは4億3,800万〜4億800万年前のシルル紀であることはほぼ確実だとみている。これまでの最古の昆虫の記録は、ニューヨーク州で見つかった3億7,900万年前の2匹の昆虫だった。今回の昆虫Rhyniognathaは飛翔能力がないが、翅のある昆虫といくつかの特徴が共通しており、このことからみて昆虫の翅も古生物学者たちが考えていたより古い時代に進化した可能性がある。