Nature ハイライト 医学:まれな血管疾患の遺伝子を同定 2004年2月12日 Nature 427, 6975 血管成長の調節にかかわる遺伝子が同定された。この遺伝子の変異は、まれな血管疾患クリッペル・トルノネー症候群(KTS)の原因となっている可能性がある。KTSの患者では皮膚の血管に形成異常が起こる。症状がみられるのは肥大伸張した一本の手または足だけに症状が見られる場合が多く、病気の原因は不明である。Q Wangたちは、VG5Qと呼ばれる遺伝子がKTS患者で変異していることを報告している。この遺伝子は、血管の成長を制御していると考えられている。Wangたちは、ヒト遺伝学と機能分析を組み合わせるという一風変わった方法でVG5Qを同定および評価した。類似の手法が血管新生にかかわる他の因子の同定にも使えることは重要だとD LambrechtsとP CarmelietはNews and Viewsで解説している。また、「このような因子には、臨床的に意味のある分子や薬剤標的となりえる分子が含まれる可能性がある」とも述べている。 2004年2月12日号の Nature ハイライト 脳:ショウジョウバエの脳構造と記憶 医学:まれな血管疾患の遺伝子を同定 地球:大地震は予測できない結果を残した 生理:人体の設計は不完全なもの 免疫:マウスが揺るがす黒死病変異拡大説 エレクトロニクス:シリコンの輝き 進化:最初の陸上進出動物の中に昆虫もいた 目次へ戻る