Nature ハイライト
量子物理学:量子法則の制限を回避する
Nature 547, 7662
ハイゼンベルクの不確定性原理は、測定精度に基本的な制約を課しており、量子反作用効果と結び付いている。この効果は、対象の位置測定が、小さいけれども特定の不規則な摂動を対象の運動量にもたらす場合に生じる。E Polzikたちは今回、観測される対象、すなわち機械的振動子を別の振動子と結合させることで量子反作用を回避する方法を実証している。機械的振動子は、宙に浮いたミリメートルサイズの膜で、彼らはこれを原子スピン集団と結合させた。重要なのは、負の有効質量の領域に調整した原子系の基準座標系において、膜の運動を測定することである。これによって、膜への量子反作用が抑制される。今回の手法を用いれば、ハイゼンベルクの不確定性原理によって課せられる限界を超えて、力、運動、重力のセンシングができるようになる可能性がある。
2017年7月13日号の Nature ハイライト
遺伝学:IBD座位の精細マッピング
細胞生物学:アグリンによるマウス心臓の再生
量子物理学:量子法則の制限を回避する
生物地球化学:北極ツンドラにおける水銀の吸収
地球科学:水酸化物は圧力下でも安定を保つ
免疫学:個別化がんワクチンの臨床試験
発生生物学:心臓細胞を妨げるDGC
分子生物学:HP1αが可逆的な液滴を作る