Nature ハイライト
地球科学:水酸化物は圧力下でも安定を保つ
Nature 547, 7662
水酸化物であるFeOOHは、下部マントル中部領域の条件で分解してFeO2を形成し、H2を放出することが最近報告された。これは、放出された水素が地表へと移動し地球内部の酸素分布に大きな変動が生じることを示唆している。この知見とは対照的に、西真之(愛媛大学ほか)たちは今回、第一原理計算とin situ X線回折実験に基づいて、下部マントル深部の温度圧力条件におけるFeOOH相の安定性を報告している。著者たちは、パイライト(黄鉄鉱)型のFeOOHは、周囲のマントルより密度がずっと高いと予測しており、深く沈み込んだスラブ内で他の含水鉱物との固溶体として安定に存在すると結論している。このことは、外核への水素の取り込みを生じさせる可能性がある。
2017年7月13日号の Nature ハイライト
遺伝学:IBD座位の精細マッピング
細胞生物学:アグリンによるマウス心臓の再生
量子物理学:量子法則の制限を回避する
生物地球化学:北極ツンドラにおける水銀の吸収
地球科学:水酸化物は圧力下でも安定を保つ
免疫学:個別化がんワクチンの臨床試験
発生生物学:心臓細胞を妨げるDGC
分子生物学:HP1αが可逆的な液滴を作る