Nature ハイライト
環境科学:中国の小規模農家の強化
Nature 555, 7696
世界の耕作地の60%は、25億に上る小規模農家によって管理されている。小規模農家の業績は、彼ら自身の生計を左右するだけでなく、世界の食料安全保障および生態系の健全性にも影響を及ぼす。今回F Zhangたちは、単純ないくつかの介入の実施によって、10年間で中国各地の小規模農家の生産性および環境パフォーマンスがいかに大幅に改善されたかを報告している。研究チームはまず、中国の主要な農業生態学的区域全てにおいて1万3000件以上の野外試験を実施し、「総合的土壌–作物システム管理」と総称される一連の管理手法によって、トウモロコシ、コムギ、イネの収量、窒素利用効率および農家の収益性が向上することを見いだした。この手法を452県の約2090万の小規模農家で採用したところ、穀類収量は10年間で3300万t増加し、窒素肥料の使用量は120万t節減され、温室効果ガスの排出量は最大13%減少した。
2018年3月15日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:小児がんゲノムの全体像
構造生物学:N結合型糖鎖修飾酵素の構造
物性物理学:トポロジカルコーナー状態
地球科学:地震波は水の影響を受けない
環境科学:中国の小規模農家の強化
生態学:森の糧
神経科学:成人ではニューロン新生は起こらない
がん:DNA損傷に対するユーイング肉腫の感受性
神経生理学:静止状態にある酸センサー