Nature ハイライト
がん:DNA損傷に対するユーイング肉腫の感受性
Nature 555, 7696
ユーイング肉腫は小児がんの一種で、EWSR1遺伝子ともう1つ別の遺伝子が融合したがん遺伝子を持つ細胞の存在を特徴とする。ユーイング肉腫細胞は、DNA損傷を引き起こす遺伝毒性物質に対する感受性が非常に高い。A Bishopたちは今回、このような細胞では、複製ストレスの増大やRループとして知られる三本鎖核酸構造のレベル上昇が見られることを明らかにしている。ユーイング肉腫細胞は損傷したDNAを修復する能力も欠いており、これはBRCA1タンパク質と転写装置との間の相互作用に起因するらしい。正常な細胞では、野生型EWSR1がRループ形成を抑制し、DNA損傷後の修復を促進することで、このような影響が解消される。
2018年3月15日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:小児がんゲノムの全体像
構造生物学:N結合型糖鎖修飾酵素の構造
物性物理学:トポロジカルコーナー状態
地球科学:地震波は水の影響を受けない
環境科学:中国の小規模農家の強化
生態学:森の糧
神経科学:成人ではニューロン新生は起こらない
がん:DNA損傷に対するユーイング肉腫の感受性
神経生理学:静止状態にある酸センサー