Nature ハイライト
気候変動生態学:白化したグレートバリアリーフのその後
Nature 556, 7702
世界最大のサンゴ礁系であるグレートバリアリーフは、2016年の記録的な海洋熱波を受けて深刻な白化事象を経験した。今回T Hughesたちは、この熱波における熱曝露の地理的パターンと熱波によるサンゴ群集の死滅の状況を、サンゴ礁系全体にわたってマッピングした。その結果、この白化事象によるサンゴの大量死により、全サンゴ礁系の3分の1近くが多大な影響を受けたことが分かった。個々のサンゴ礁スケールでは、死滅の深刻さは白化の規模および熱曝露のレベルと高度に相関していた。白化後の死滅によって、白化がより深刻だったサンゴ礁ではその機能的構成が変容し、成長の速い造礁サンゴは、成長が遅くてより単純な形態を持つタクソンに取って代わられた。
2018年4月26日号の Nature ハイライト
生物工学:大腸がん細胞の多様化
腫瘍生物学:がん細胞におけるEMTと転移
量子物理学:エンタングルメントのスケールアップ
地球科学:余震が地球の下部地殻に及ぼす衝撃的効果
気候変動生態学:白化したグレートバリアリーフのその後
免疫学:炎症経路における求電子性のイタコン酸
神経科学:エネルギーバランスにおけるレプチンの役割の背後にある脳回路
構造生物学:NMDA受容体の働きを遮断する
構造生物学:NPY受容体の構造