Nature ハイライト
構造生物学:NMDA受容体の働きを遮断する
Nature 556, 7702
NMDA受容体はリガンド依存性イオンチャネルで、イオンチャネル型のグルタミン酸受容体ファミリーに属し、興奮性シナプス伝達、学習や記憶に重要な役割を果たしている。NMDA受容体の機能不全は、神経変性疾患や脳卒中、統合失調症と関連付けられている。今回、E Gouauxたちは、結晶学的手法と計算機シミュレーションを組み合わせて用い、MK-801、およびアルツハイマー病治療薬として認可されているメマンチンによるNMDAチャネル遮断の機構を明らかにした。この研究により、NMDA受容体の小孔が開いた構造とイオン透過に関する手掛かりが得られ、使われた2つの薬剤がチャネル遮断につながるコンホメーション変化を誘起する仕組みが明らかになった。
2018年4月26日号の Nature ハイライト
生物工学:大腸がん細胞の多様化
腫瘍生物学:がん細胞におけるEMTと転移
量子物理学:エンタングルメントのスケールアップ
地球科学:余震が地球の下部地殻に及ぼす衝撃的効果
気候変動生態学:白化したグレートバリアリーフのその後
免疫学:炎症経路における求電子性のイタコン酸
神経科学:エネルギーバランスにおけるレプチンの役割の背後にある脳回路
構造生物学:NMDA受容体の働きを遮断する
構造生物学:NPY受容体の構造