Nature ハイライト
構造生物学:NPY受容体の構造
Nature 556, 7702
神経ペプチドY(NPY)受容体はGタンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーの1つであり、中枢神経系と末梢神経系で多様な生理過程に関わっている。GPCRファミリーとしては珍しいことに、NPY受容体には内在性ペプチドリガンドが3種類あり、それらは4種類の受容体サブタイプに結合する。リガンドの1つであるNPYは非常に大量に存在するペプチド性神経伝達物質で、摂食と食欲を亢進させ、エネルギー貯蔵を促進する。今回B Wuたちは、2種類の異なるアンタゴニストと複合体を形成した神経ペプチドY1受容体の結晶構造を報告している。さらに、NMR、ドッキング実験や生化学データに基づいて、内在性アゴニストであるNPYなどの他のリガンドとの結合モデルも提案された。
2018年4月26日号の Nature ハイライト
生物工学:大腸がん細胞の多様化
腫瘍生物学:がん細胞におけるEMTと転移
量子物理学:エンタングルメントのスケールアップ
地球科学:余震が地球の下部地殻に及ぼす衝撃的効果
気候変動生態学:白化したグレートバリアリーフのその後
免疫学:炎症経路における求電子性のイタコン酸
神経科学:エネルギーバランスにおけるレプチンの役割の背後にある脳回路
構造生物学:NMDA受容体の働きを遮断する
構造生物学:NPY受容体の構造