Nature ハイライト

がん治療:急性骨髄性白血病で獲得抵抗性が生じる機構

Nature 559, 7712

IDH1酵素とIDH2酵素の変異は、がん代謝物である2-ヒドロキシグルタル酸の産生につながり、近年では臨床においてIDH阻害剤による治療標的とされてきた。今回R Levineたちは、ヘテロ接合性IDH2変異に起因する急性骨髄性白血病患者2人で生じた抵抗性の新たな機構について報告している。両患者とも、野生型のIDH2対立遺伝子に第二の変異がトランスに生じており、この変異によってIDH2阻害剤に対する治療抵抗性が誘導され、2-ヒドロキシグルタル酸レベルの維持が可能になっていた。この機構はシス変異でも起こる可能性があり、以前に報告されたチロシンキナーゼ阻害剤に対する抵抗性機構と類似した、IDH阻害に対する獲得抵抗性の最初の証拠である。

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