Nature ハイライト
がん治療:急性骨髄性白血病で獲得抵抗性が生じる機構
Nature 559, 7712
IDH1酵素とIDH2酵素の変異は、がん代謝物である2-ヒドロキシグルタル酸の産生につながり、近年では臨床においてIDH阻害剤による治療標的とされてきた。今回R Levineたちは、ヘテロ接合性IDH2変異に起因する急性骨髄性白血病患者2人で生じた抵抗性の新たな機構について報告している。両患者とも、野生型のIDH2対立遺伝子に第二の変異がトランスに生じており、この変異によってIDH2阻害剤に対する治療抵抗性が誘導され、2-ヒドロキシグルタル酸レベルの維持が可能になっていた。この機構はシス変異でも起こる可能性があり、以前に報告されたチロシンキナーゼ阻害剤に対する抵抗性機構と類似した、IDH阻害に対する獲得抵抗性の最初の証拠である。
2018年7月5日号の Nature ハイライト
細胞生物学:アクチンが握るDNA修復のカギ
天文学:また1つ検証をパスした一般相対性理論
化学:二重触媒法によるsp3 C–Nアルキル化
地球科学:侵食速度と寒冷な気候の関連性の再調査
神経科学:ニューロンを作ってストレスと戦う
発生生物学:皮下脂肪で脂肪生成を制御する細胞
寄生虫感染症:腸の損傷後に起こる胎仔の発生プログラムの再活性化
炎症:免疫麻痺におけるマイクロRNAの役割
細胞生物学:対立する酵素が協働するとき
がん治療:急性骨髄性白血病で獲得抵抗性が生じる機構
構造生物学:三日熱マラリア原虫の侵入複合体の構造