Nature ハイライト
化学:二重触媒法によるsp3 C–Nアルキル化
Nature 559, 7712
医薬品にはアミン類が多く、芳香族化合物を用いた炭素–窒素(C–N)結合形成にかなりの進歩が見られている。しかし、アルキル求電子剤をアミノ化する類似のC–N結合形成方法の開発はあまり進んでいない。今回D MacMillanたちは、アルキルカルボン酸と多種多様なアミン求核剤(医薬品業界における主要モチーフであるさまざまなヘテロ環や、アミド、スルホンアミドなど)のクロスカップリングについて報告している。この反応は、非常に温和な条件下で行われ、光と光レドックス触媒を用いてアルキルラジカルを生成させた後、銅触媒を用いて窒素化合物をカップリングさせる。窒素含有モチーフはありふれたものなので、例えば薬剤の誘導体化にこの反応を用いることで、複雑な分子を迅速に構築できる。
2018年7月5日号の Nature ハイライト
細胞生物学:アクチンが握るDNA修復のカギ
天文学:また1つ検証をパスした一般相対性理論
化学:二重触媒法によるsp3 C–Nアルキル化
地球科学:侵食速度と寒冷な気候の関連性の再調査
神経科学:ニューロンを作ってストレスと戦う
発生生物学:皮下脂肪で脂肪生成を制御する細胞
寄生虫感染症:腸の損傷後に起こる胎仔の発生プログラムの再活性化
炎症:免疫麻痺におけるマイクロRNAの役割
細胞生物学:対立する酵素が協働するとき
がん治療:急性骨髄性白血病で獲得抵抗性が生じる機構
構造生物学:三日熱マラリア原虫の侵入複合体の構造