Nature ハイライト
構造生物学:三日熱マラリア原虫の侵入複合体の構造
Nature 559, 7712
三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)は、網状赤血球結合タンパク質2b(PvRBP2b)と呼ばれるタンパク質を使って赤血球に侵入する。最近、PvRBP2bがヒト赤血球の表面にあるトランスフェリン受容体1に結合し、原虫の侵入にはこの結合が必要であることが明らかになった。今回W Thamたちは、PvRBP2bのトランスフェリンおよびトランスフェリン受容体と複合体を形成した構造を解いて、PvRBP2bは受容体だけでなくトランスフェリンとも結合することを明らかにしている。トランスフェリンはおそらく、原虫の侵入過程に何らかの役割を担っていると考えられる。
2018年7月5日号の Nature ハイライト
細胞生物学:アクチンが握るDNA修復のカギ
天文学:また1つ検証をパスした一般相対性理論
化学:二重触媒法によるsp3 C–Nアルキル化
地球科学:侵食速度と寒冷な気候の関連性の再調査
神経科学:ニューロンを作ってストレスと戦う
発生生物学:皮下脂肪で脂肪生成を制御する細胞
寄生虫感染症:腸の損傷後に起こる胎仔の発生プログラムの再活性化
炎症:免疫麻痺におけるマイクロRNAの役割
細胞生物学:対立する酵素が協働するとき
がん治療:急性骨髄性白血病で獲得抵抗性が生じる機構
構造生物学:三日熱マラリア原虫の侵入複合体の構造