Nature ハイライト
神経科学:ニューロンを作ってストレスと戦う
Nature 559, 7712
齧歯類において、成体海馬歯状回での神経新生は、ストレスや抗うつ剤への行動応答と関連付けられている。R Henたちは今回、気分調節に関連するとされる脳領域である腹側歯状回で、神経新生が、成熟した顆粒細胞の活動を抑制することを示している。神経新生を増加させると、慢性ストレスに対するレジリアンス(回復力)が付与され、攻撃を受けている最中や不安を生じさせる環境中を探索している際など、ストレスの多い状況下で選択的に活動が増すニューロンの活動が低下した。今回の結果は、神経新生を介した腹側歯状回の活動抑制が、対ストレス脆弱性の個体差を決める因子の1つである可能性を示唆している。
2018年7月5日号の Nature ハイライト
細胞生物学:アクチンが握るDNA修復のカギ
天文学:また1つ検証をパスした一般相対性理論
化学:二重触媒法によるsp3 C–Nアルキル化
地球科学:侵食速度と寒冷な気候の関連性の再調査
神経科学:ニューロンを作ってストレスと戦う
発生生物学:皮下脂肪で脂肪生成を制御する細胞
寄生虫感染症:腸の損傷後に起こる胎仔の発生プログラムの再活性化
炎症:免疫麻痺におけるマイクロRNAの役割
細胞生物学:対立する酵素が協働するとき
がん治療:急性骨髄性白血病で獲得抵抗性が生じる機構
構造生物学:三日熱マラリア原虫の侵入複合体の構造